MT4/MT5対応のFX会社を確認する際のポイント
FX(外国為替証拠金取引、foreign exchange)の会社を、取引ツール(取引プラットフォーム)の観点から確認したいとき、何を見ればよいのでしょうか。よく名前を聞く「MT4」「MT5」とは何か、どの会社が対応しているのかを知りたい人も多いと思います。この記事では、取引プラットフォームをめぐる確認の観点を整理します。自分で確認するときの見方を渡すことを目的としています。
最初に前提をお伝えします。本記事では、どの会社がどのプラットフォームに対応しているか、という個別の一覧は扱いません。会社の対応状況は時点によって変わるため、最新の正確な情報は各社の公式情報で確認していただく必要があるからです。本記事が示すのは「取引プラットフォームをどの観点で見比べればよいか」という確認の枠組みです。
取引プラットフォームを確認する目的を整理する
FX会社を取引プラットフォームの観点から見るのは、自分の取引スタイルや使いたい機能に合うかどうかを確認するためだと考えられます。同じFX会社でも、提供する取引ツールによって操作感や対応機能は異なります。
そのため、確認を始める前に「自分はどのように取引したいのか」を整理しておくと、見るべき点が定まりやすくなります。自分で判断して都度発注する取引(裁量取引)が中心か、あらかじめ設定したルールで動かす自動売買を使いたいかによって、注目する観点が変わってくるためです。以下では、取引プラットフォームを確認する際に登場することの多い観点を順に整理します。
確認するときの前提をそろえる
各観点の説明に入る前に、最も大切な点をお伝えします。どの会社がどのプラットフォームに対応しているか、デモ口座の利用期間はどうか、といった情報は、会社の公式情報が一次情報であり、時点によって変わります。
本記事は、特定の会社の対応状況を一覧で示すものではなく、確認すべき観点を整理するものです。実際の対応状況は、利用を検討している会社の公式情報を、できるだけ近い時点で確認することが望ましいと考えられます。
MT4とMT5とは
まず、よく名前の挙がる「MT4」「MT5」について、製品の事実を整理します。
MetaTrader 4(MT4)とMetaTrader 5(MT5)は、いずれもMetaQuotes Ltdが開発・提供する取引プラットフォームです。FXをはじめとする取引や、チャート分析、自動売買(EA、Expert Advisor、あらかじめ設定したルールに従って注文を行うプログラム)に対応しており、世界的に広く使われている代表的なプラットフォームの一つです。
MT4とMT5には、対応する市場や機能の範囲に違いがあります。MetaTrader 5の公式情報では「外国為替、株、先物のための取引プラットフォーム」と紹介されており、対応する市場の範囲が広く取られています。一方のMetaTrader 4は、主にFXの取引・分析・EAの利用に向いた位置づけです。
ここで注意したいのは、MT4とMT5は「どちらが優れているか」という性質のものではない、という点です。対応する市場・機能・利用したいEAとの互換性が異なるため、自分の用途と、会社の対応状況に照らして見るのがよいと考えられます。
なお、MT4向けに作られたEAとMT5向けに作られたEAは、互換性がありません。プログラムの言語や仕様が異なるためです。EAを使う予定がある場合は、利用したいEAがどちらのプラットフォームに対応しているかを確認する観点があります。自動売買の運用環境については、別の記事で扱います。
確認するときに見る代表的な観点
ここからは、取引プラットフォームを確認する際に見ることの多い観点を順に整理します。
対応プラットフォームの種類
FX会社が提供する取引ツールには、MT4に対応するもの、MT5に対応するもの、会社が独自に開発したプラットフォーム(自社開発のアプリやツール)など、いくつかの種類があります。会社によって、どれを提供しているかは異なります。
どれが良いという性質のものではなく、自分が使いたいツールや、利用したいEAとの相性に照らして確認する観点だと整理できます。対応状況は会社の公式情報で確認することが前提になります。
デモ口座の有無・期間
デモ口座とは、仮想の資金を使って操作や機能を試せる練習用の口座のことです。実際に発注する前に、取引ツールの操作感を確かめる手段として用意されている場合があります。利用できる期間や再発行ができるかどうかは、会社によって異なります。
ここで注意したいのは、デモ口座はあくまで操作や機能を確認するための手段であり、デモ口座での結果が実際の取引の成果を示すものではない、という点です。実際の取引では、約定の条件や心理面など、デモとは異なる要素が関わります。デモ口座は「ツールの使い勝手を確認するための観点」として扱うのが妥当だと考えられます。
対応デバイス・環境
取引ツールが、どの環境に対応しているかも確認の観点になります。パソコン(WindowsやMac)、スマートフォン(iOSやAndroid)、ウェブブラウザ版など、対応する環境は会社やプラットフォームによって異なります。MetaTraderについても、モバイル版やウェブ版が提供されています(MetaQuotes Ltd公式情報)。
自分が普段使う端末で取引したい場合は、その環境に対応しているかを確認しておくと、利用を始めてからの食い違いを避けやすくなります。
ツール要件の見方
取引ツールの機能面では、チャートの時間足、テクニカル指標、描画ツール、注文方式(成行・指値・逆指値・OCOなど)の対応範囲が確認の観点になります。自分が使いたい分析方法や注文方法に対応しているかを見る、という整理です。
自動売買(EA)を使う場合は、そのEAが稼働できる環境かどうか、稼働の条件はどうかも確認の対象になります。EAを継続的に動かしたい場合の運用環境については、後述のとおり別の記事で扱います。
用途別の見方を整理する
ここでは取引スタイルを勧めるものではなく、確認観点の違いとして整理します。同じプラットフォームの話でも、どのように取引したいかによって、注目する点は変わってきます。
第一に、自分で判断して都度発注する裁量取引が中心の場合です。この場合は、チャートや分析機能の使い勝手、注文方式の対応範囲、普段使う端末への対応などが関心の中心になりやすいと考えられます。
第二に、あらかじめ設定したルールで動かす自動売買(EA)を使いたい場合です。この場合は、利用したいEAがどのプラットフォーム(MT4かMT5か)に対応しているか、そのEAを稼働させられる環境かどうかが確認の中心になりやすいでしょう。
いずれの見方が良いということではなく、自分の取引スタイルによって注目する観点が変わる、という整理です。どちらの場合も、FXには為替の変動や、預けた証拠金を上回る損失が生じる可能性といったリスクが前提にある点は共通しています。
確認のポイント
最後に、FX会社を取引プラットフォームの観点から確認するときに意識したい点をまとめます。
- どの会社がどのプラットフォームに対応しているかは時点で変わるため、各社の公式情報で確認する。
- MT4とMT5は優劣ではなく、対応市場・機能・EAの互換性が異なるものとして見る。
- デモ口座は操作・機能を確認する手段であり、結果が実取引の成果を示すものではない。
- 自分が普段使う端末・環境に対応しているかを確認する。
- チャート・指標・注文方式など、使いたい機能に対応しているかを確認する。
- EAを使う予定がある場合は、利用したいEAの対応プラットフォームと稼働環境を確認する。
よくある確認事項
MT4とMT5はどちらを選べばよいのですか
どちらが優れているという性質のものではありません。MetaTrader 5は対応する市場の範囲が広く取られ、MetaTrader 4はFXの取引・分析・EAの利用に向いた位置づけです。また、MT4向けのEAとMT5向けのEAには互換性がありません。利用したいEAの対応状況や、自分の用途に照らして確認することが中心になると考えられます。
デモ口座で良い成績が出れば、実際の取引でも同じ結果になりますか
デモ口座は操作感や機能を確かめるための手段であり、デモでの結果が実際の取引の成果を示すものではありません。実際の取引では、約定の条件や心理面など、デモとは異なる要素が関わります。デモ口座は、あくまでツールの使い勝手を確認する観点として扱うのが妥当です。
スマートフォンだけでも取引できますか
会社やプラットフォームによって対応する環境は異なります。MetaTraderにはモバイル版が提供されていますが、対応の有無や機能の範囲は会社により異なるため、利用を検討している会社の公式情報で確認することが前提になります。
取引プラットフォームが高機能なら取引で良い結果になりますか
取引ツールの機能の充実は操作の快適さに関わる要素ではありますが、それ自体が取引の成果を約束するものではありません。FXの損益は、相場の動きと、自分が持っているポジションの方向(買い/売り)によって変わります。プラットフォームは取引条件の一つの側面として確認する観点だと整理できます。
どの会社がMT4やMT5に対応しているか教えてもらえますか
本記事では、特定の会社の対応状況を一覧では扱っていません。会社の対応状況は時点によって変わるためです。利用を検討している会社が、どのプラットフォームに対応しているかは、各社の公式情報で確認してください。
さいごに
FX会社を取引プラットフォームの観点から見ることは、どれが一番かを決める作業ではなく、自分の取引スタイルや使いたい機能に合う条件を確認する作業だと整理できます。本記事で示した観点は、その確認を進めるための手がかりです。
各社の対応状況や最新の機能、そして取引にともなうリスクの詳細は、各社の公式情報や、金融庁・金融先物取引業協会などの公的機関の公表情報で確認していただくことを前提としています。最終的な口座開設や取引の判断は、読者ご自身が公式情報を確認したうえで行ってください。
取引ツールや会社の比較の進め方、自動売買の運用環境については、次の記事も参考になります。
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