証券会社を選ぶ前に確認したい基本項目

これから証券口座を開こうとするとき、証券会社を選ぶ前に確認しておきたいのは、取扱商品の範囲・口座種別・コストの体系・顧客資産が保護される仕組みです。これらは会社によって異なる部分が多く、どこか一社が一律に優れているという性質のものではありません。

この記事では、証券会社を選ぶ前に一般に確認される基本項目を、公式情報ベースで整理します。「何を見て自分で判断するか」を確認するための見取り図として読んでいただくことを想定しています。具体的な手数料や取扱商品の最新情報は、各社の公式情報でご確認ください。

証券会社選びで確認したい基本の流れ

証券会社を選ぶ前に確認しておきたい項目は、大きく次のように整理できます。

以下では、それぞれの観点について順に整理します。いずれの項目も、詳細は会社により異なるため、最終的には各社の公式情報で確認することを前提としています。

取扱商品の範囲を確認する

証券会社によって、取り扱う金融商品の範囲は異なります。一般に確認される商品の例としては、次のようなものがあります。

すべての証券会社がこれらをすべて取り扱っているわけではありません。たとえば外国株式の取扱国や、投資信託のラインアップは会社によって幅があります。自分が取引したいと考えている商品が取り扱われているかどうかは、会社により異なるため、公式情報で確認することが基本です。

口座種別の違いを確認する

証券口座には、いくつかの種別があります。代表的なものとして、特定口座・一般口座・NISA口座があり、それぞれ税金に関する手続きの扱いが異なります。

特定口座(源泉徴収あり/なし)

特定口座は、証券会社が一年間の譲渡損益(売買による損益)を計算してくれる制度です。これにより、確定申告に必要な計算や書類確認の負担を軽くできる場合があります。特定口座を申し込む際には、「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」のいずれかを選択します。

「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」では、納税にかかる手続きの扱いが異なります。どちらを選ぶかによって確定申告の要否が変わる場合があるため、自分の状況に応じた取扱いの詳細は、国税庁の公式情報で確認することが望まれます。

一般口座

一般口座は、特定口座とは異なり、年間取引報告書が作成されません。そのため、損益の計算や納税の手続きは、原則として自分で行うことになります。

NISA口座

NISA口座は、一定の範囲で得られた利益が課税されない、非課税投資のための口座です。制度の枠組みや注意点については、NISAを始める前に確認したいポイントで整理しています。

このように、口座種別によって税金に関する手続きの扱いが変わります。どの口座を選ぶかは、自分がどのように取引や申告を行いたいかによって異なります。各種別の詳細は公式情報で確認したうえで判断することが基本です。

コスト(手数料)の体系を確認する

証券会社で取引を行う際には、いくつかのコストがかかります。代表的なものに、次のような項目があります。

これらの手数料の体系は、会社によって設計が異なります。同じ「手数料」という言葉でも、対象となる商品・取引金額・取引方法によって計算の仕方が変わることがあります。

手数料の体系は時点によっても変わるため、比較する際には、同じ条件で見たうえで、各社の公式情報で確認することが望まれます。

取引ツール・アプリ・情報サービスを確認する

実際に取引を行う際に使うツールやアプリ、提供される情報サービスも、会社によって異なります。

操作のしやすさや提供される情報の内容は、利用する人によって感じ方が異なります。自分が使いやすいと感じるかどうかを、各社の公式情報や案内で確認するとよいと考えられます。

顧客資産の保護の仕組みを確認する

証券会社に資産を預ける際に確認しておきたいのが、その資産がどのように守られるかという仕組みです。これには、二つの観点があります。

分別管理

金融商品取引業者には、顧客から預かった資産を自社の資産とは分けて管理する「分別管理」の義務があります。これは、会社の資産と顧客の資産を区別して保管することで、顧客の資産を保護するための仕組みです。分別管理が適切に行われていれば、万一証券会社が破綻した場合でも、顧客が預けた資産は基本的に顧客に返還されることになります。

投資者保護基金

万一、証券会社の経営が破綻し、分別管理が適切に行われていなかったために顧客への返還が困難になった場合に備えて、投資者保護基金という制度があります。投資者保護基金は、金融商品取引法の規定により設立される機関で、会員である金融商品取引業者が破綻した際に、一般顧客(いわゆるプロの投資家を除く顧客)が預けた有価証券・金銭について、一人あたり1,000万円を上限に金銭による補償を行うものです。

ここで注意したいのは、投資者保護基金は「元本保証」ではないという点です。補償の対象となるのは、あくまで分別管理が適切に行われていなかったために返還が困難になった場合です。値下がりなど、投資判断によって生じた損失は、補償の対象にはなりません。

証券取引は、その性質上、預けた資産の価値が変動する取引です。投資者保護基金の存在を、損失が出ても元本が戻る制度であるかのように受け取らないよう、仕組みを正確に理解しておくことが大切です。

補償の対象になる取引・ならない取引

投資者保護基金が補償の対象とするのは、有価証券関連の取引などに係る資産です。一方で、FX(外国為替証拠金取引)や店頭デリバティブ取引(先物・オプション・CFDなど)、暗号資産などは、投資者保護基金の補償の対象外とされています。

つまり、証券とFXでは、預けた資産を保護する制度の枠組みそのものが異なります。FXでは、国内で登録を受けた業者が顧客から預かった証拠金を信託によって区分管理する仕組みが用いられ、証券では分別管理と投資者保護基金という仕組みが用いられます。同じ「資産が守られる仕組み」といっても、取引の種類によって適用される制度が違うため、それぞれの制度を分けて理解しておくことが大切だと考えられます。

サポート体制・取引時間・最低投資金額を確認する

このほか、利用前に確認しておきたい項目として、次のようなものがあります。

これらも会社によって異なるため、自分の取引のしかたに合うかどうかを、各社の公式情報で確認するとよいでしょう。

用語整理

この記事で扱った用語のうち、初めての方が確認しておきたいものを整理します。

よくある確認事項

証券会社はどれを選べばよいですか

この記事では、特定の会社を勧めることはしません。証券会社によって、取扱商品・口座種別・手数料の体系・ツール・サポートなどが異なります。何を重視するかは人によって異なるため、確認したい項目を整理したうえで、各社の公式情報で比較して判断することが基本となります。

投資者保護基金があれば、損をしても元本は戻りますか

戻りません。投資者保護基金は、証券会社が破綻し、分別管理が適切に行われていなかったために返還が困難になった場合に、一般顧客一人あたり1,000万円を上限に補償する制度です。値下がりなど、投資判断によって生じた損失は、補償の対象にはなりません。

投資者保護基金はFXにも適用されますか

適用されません。FX(外国為替証拠金取引)や店頭デリバティブ取引、暗号資産などは、投資者保護基金の補償の対象外とされています。FXでは、国内で登録を受けた業者による証拠金の信託による区分管理という別の仕組みが用いられます。証券とFXでは資産を保護する制度の枠組みが異なるため、それぞれの制度を分けて理解しておくことが大切です。

特定口座と一般口座はどう違いますか

特定口座は、証券会社が一年間の譲渡損益を計算してくれるため、確定申告に必要な計算や書類確認の負担を軽くできる場合があります。一般口座は年間取引報告書が作成されず、損益の計算や納税の手続きを原則として自分で行います。税金に関する取扱いの詳細は、国税庁の公式情報で確認することが望まれます。

手数料が一番安い会社はどこですか

手数料の体系は会社によって異なり、対象となる商品や取引金額、取引方法によっても変わります。また、時点によっても変動します。比較する際は、同じ条件で見たうえで、各社の公式情報で確認してください。

使い方と最終的な確認

この記事では、証券会社を選ぶ前に一般に確認される基本項目を整理しました。取扱商品・口座種別・コスト・ツール・顧客資産の保護の仕組みといった観点は、いずれも会社によって異なります。

ここで整理した項目は、何を見て判断するかの見取り図です。具体的な手数料や取扱商品、サポート内容などの最新の情報は時点によって変わるため、口座開設の最終的な判断は、読者ご自身が各社の公式情報を確認したうえで行ってください。税金に関する取扱いについては、国税庁の公式情報もあわせてご確認ください。

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