証券会社の手数料を比較するときの見方

証券会社を手数料で比べたいと思ったとき、何をどう見ればよいのか迷うことはないでしょうか。この記事では、証券会社の手数料を比較するときの見方を整理し、自分で正しく比較するための見方を渡すことを目的としています。

最初に前提をお伝えします。本記事では、具体的な手数料の額や、特定の会社が無料・低コストであるといった固有の情報は扱いません。手数料は時点によって改定され、また対象となる商品や取引条件は会社によって異なるため、最新の正確な情報は各社の公式情報で確認していただく必要があるからです。本記事が示すのは「どの観点を、どうそろえて見比べればよいか」という比較の枠組みです。

なお、証券会社選びの基本項目や、手数料の体系の位置づけについては、証券会社を選ぶ前に確認したい基本項目で整理しています。本記事は、そのうち手数料を「どう比較するか」という見方に絞って確認します。

手数料には種類がある

証券会社の手数料を比較するうえで、最初に押さえておきたいのは、手数料にはいくつかの種類があり、種類ごとに対象となる場面が違うという点です。一口に「手数料」といっても、何にかかる費用なのかが異なります。代表的なものを整理すると、次のようになります。

このように、手数料は「株式を売買するとき」「投資信託を保有している間」「解約するとき」「両替するとき」など、対象となる場面がそれぞれ異なります。比較するときは、自分が支払うことになるのはどの種類の手数料なのかを意識することが出発点になります。

なお、各手数料の細かい仕組みや、証券会社選びのなかでの位置づけについては、証券会社を選ぶ前に確認したい基本項目で整理しています。外国株式の為替手数料については、米国株(外国株式)を始める前に確認したい基本でも触れています。

手数料の体系は会社によって異なる

手数料は、その額だけでなく、どのように計算されるかという「体系」も会社によって異なります。

株式の売買にかかる委託手数料は、過去に自由化されており、各証券会社が自社の手数料を自由に設定できるようになっています。これが、手数料の体系が会社によって異なることの背景です。同じ取引をしても、どのような計算方式が適用されるかは会社ごとに違いうる、ということです。

体系の違いの例として、よく知られているものに次の二つがあります。

どちらが自分に向くかは、取引の頻度や1回あたりの金額によって変わります。取引の回数が多い人と少ない人とでは、有利になりやすい体系が異なりうる、という整理です。どちらが優れていると一律に決まるものではありません。

近年は、国内株式の売買手数料について、無料・低コストを掲げる会社もあります。ただし、無料や低コストの対象となる商品・取引条件は会社によって異なるため、自分が取引する条件で対象に含まれるかどうかを、各社の公式情報で確認する必要があると考えられます。「無料」という言葉だけを取り上げて会社を決めるのではなく、どの条件のもとでの無料なのかを確認することが望ましいと考えられます。

同じ条件でそろえて比較する

ここまで見たように、手数料には種類があり、体系も会社によって異なります。だからこそ、手数料を比較するときに最も大切なのは、比較の条件をそろえることです。条件がそろっていない手数料を並べても、正しく見比べることはできないためです。

具体的には、次の四つの条件をそろえて確認することが基本になります。

これが、手数料を比較するときの背骨にあたる考え方です。条件をそろえずに数字だけを並べると、本来は比べられないものを比べてしまうことになりかねません。自分の取引のしかたを一つの基準として、同じ条件のもとで各社を見比べることが、正しく比較するための前提になります。

手数料だけで決まらない

手数料は証券会社を選ぶうえで重要な観点ですが、手数料の安さだけで会社が決まるわけではありません。手数料を見るときには、手数料以外の要素もあわせて見る視点があります。

たとえば、次のような観点があります。

つまり、売買のときにかかる手数料だけを見るのではなく、保有を続けることでかかる費用も含めて、総合的に見る視点があるということです。これらの各要素の詳しい確認のしかたは、証券会社を選ぶ前に確認したい基本項目で整理しています。

手数料は時点で変わる

最後に意識しておきたいのが、手数料は時点によって変わるという点です。各社の手数料の体系や、無料・低コストの対象、各種のキャンペーンなどは、改定されることがあります。

そのため、比較した手数料の情報には、必ず「いつ時点・どの条件のものか」が伴います。本記事の整理は2026年6月6日時点のものですが、各社の条件はその後も変わり得ます。比較するときは、各社が公式に開示している情報を、できるだけ近い時点でそろえて確認することが望ましいと考えられます。具体的な手数料の額や投資信託のコストは、各社の公式情報や、投資信託であれば目論見書で確認できます。

用語整理

この記事で扱った用語のうち、初めての方が確認しておきたいものを整理します。

よくある確認事項

手数料が一番安い証券会社はどこですか

手数料の体系は会社によって異なり、対象となる商品・取引金額・取引方法・取引頻度によっても変わります。また、時点によっても改定されるため、この記事では「どこが一番安いか」を断定することはしません。比較する際は、自分が取引する商品・金額・方法・頻度をそろえたうえで、各社の公式情報で確認してください。条件をそろえずに数字だけを並べても、正しく比べることはできないと考えられます。

国内株式の売買手数料が無料の会社を選べばよいですか

無料・低コストを掲げる会社もありますが、その対象となる商品や取引条件は会社によって異なります。自分が取引する条件が無料の対象に含まれているかを、各社の公式情報で確認することが基本です。また、手数料は会社選びの一要素であり、取扱商品や保有中にかかる費用なども含めて総合的に見る視点があると考えられます。

投資信託の手数料は何を見ればよいですか

投資信託のコストには、購入するときにかかる購入時手数料(販売手数料)、保有している間ずっとかかる運用管理費用(信託報酬)、解約するときにかかることがある信託財産留保額という、場面の異なる費用があります。特に信託報酬は保有を続けるほど影響が積み重なります。具体的な費用は、目論見書や各社の公式情報で確認してください。

1約定ごとと1日定額のどちらがよいですか

どちらが向くかは、取引の頻度や1回あたりの金額によって変わるため、一律にどちらがよいとは決められません。取引の回数が多い人と少ない人とでは、有利になりやすい体系が異なりうると整理できます。自分の取引のしかたを前提に、各社の公式情報で確認することが基本です。

手数料の数値はどこで確認できますか

手数料の具体的な数値は、各社が公式に開示する情報が一次情報になります。投資信託のコストについては、目論見書でも確認できます。本記事では具体的な数値を扱っていません。比較する際は、各社の公式情報を、同じ商品・同じ金額・同じ取引方法でそろえて、できるだけ近い時点で確認することが望ましいと考えられます。

まとめ

この記事では、証券会社の手数料を比較するときの見方を整理しました。手数料には種類があり、種類ごとに対象となる場面が違うこと。手数料の体系は会社によって異なり、無料・低コストの対象も会社差があること。比較するときは、取引する商品・金額・方法・頻度という条件をそろえて見ることが背骨になること。手数料の安さだけでなく、取扱商品や保有中にかかる費用も含めて総合的に見る視点があること。そして、手数料は時点によって変わるため、各社の公式情報をできるだけ近い時点でそろえて確認すること。これらを、自分で正しく比較するための見取り図として使っていただければと思います。

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最新の取引条件・手数料・キャンペーン等は、必ず各社公式サイトでご確認ください。本ページの情報は作成時点のものです。