FXのフィボナッチ分析入門|比率・種類・使い分けを体系解説

チャートに 23.6%、38.2%、61.8% と書かれた線が出ている。この数字は何なのか。本記事を読み終えると、次の三つが決められます。自分の目的(押し・戻りの深さを測るのか、目標の候補を出すのか、時間の区切りを見るのか)に対して、MetaTrader 5 が備える6種類のフィボナッチ系ツールのどれを開くか。50%・76.4%・78.6% を表示するかどうか。そして、最初にどれから覚えるか。

先に言っておくと、これらの線は売買の合図ではありません。上がるか下がるかも、そこで反発するかも出力しません。代わりにできるのは、「深く押した」「かなり戻った」という感覚的な言い方を、直前の値幅に対する割合という、他人と共有でき後から検算できる尺度に置き換えることです。観察する場所に名前を付ける道具だと考えてください。

本記事が扱う数値は、数列と比率の導出と MetaTrader 5 の既定設定に関する事実で、価格の作例は用いません。関連記事の計算例は説明のための合成値です。水準は候補であって到達も反発も保証しません。最終的な判断は読者ご自身で行ってください。

この 23.6% や 61.8% という数字は、どこから来たのか

比率の由来を確認します。まず添字の規約を明示します。本記事では NIST Digital Library of Mathematical Functions の §26.11 に合わせ、次の定義を使います。

F(0) = 0
F(1) = 1
F(n) = F(n-1) + F(n-2)

この規約により、数列は次のように並びます。

0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610

添字の取り方は文献によって異なり、F(1)=1, F(2)=1 から始める書き方もあります。同じ数列でも「何番目の項か」が1つずれるため、他の資料と突き合わせるときは規約の確認が必要です。数列の漸化式と、一般項を閉じた式で表す Binet の式は、上記の DLMF §26.11 に基づいています。

次に、隣り合う項の比を実際に計算します。以下の値は、表示のみ小数第3位に丸めています(途中計算では丸めていません)。

nF(n) ÷ F(n+1)
21 ÷ 20.500
32 ÷ 30.667
43 ÷ 50.600
55 ÷ 80.625
68 ÷ 130.615
713 ÷ 210.619
821 ÷ 340.618
934 ÷ 550.618
1055 ÷ 890.618

初めのうちは 0.500、0.667、0.600 と大きく振れますが、項が進むにつれて振れ幅が小さくなり、小数第3位の表示では 0.618 で安定します。

1つ飛ばした項どうしの比も同様に計算できます。

nF(n) ÷ F(n+2)
21 ÷ 30.333
32 ÷ 50.400
43 ÷ 80.375
55 ÷ 130.385
68 ÷ 210.381
713 ÷ 340.382
821 ÷ 550.382
934 ÷ 890.382

こちらは 0.382 付近で安定します。

この安定先の値が、黄金比と呼ばれる定数に対応します。黄金比はギリシャ文字の φ(ファイ)で表され、表示上は 1.618、その逆数は 0.618 です。上の2つの表は、比が特定の値の近くに落ち着いていく様子を数値で示したものであり、本記事の計算結果です。DLMF が「隣接比が黄金比に収束する」と述べている、という形では引用しません。DLMF から取っているのは、あくまで数列の定義と Binet の式です。

チャート上で使われる比率は、この φ の冪(べき)として整理できます。

表示される比率φ による表現
23.6%φ の -3 乗0.2361
38.2%φ の -2 乗0.3820
61.8%φ の -1 乗0.6180
78.6%φ の -1 乗の平方根0.7862
161.8%φ1.6180
261.8%φ の 2 乗2.6180

つまり 23.6%、38.2%、61.8%、161.8%、261.8% は、いずれも同じ定数 φ から連続的に導かれる一族です。78.6% だけは冪ではなく平方根を経由している点が異なりますが、これも φ から導かれる値です。

丸めについての方針を明示しておきます。本記事では、丸めは表示の段階でのみ行い、途中計算では行いません。0.618 と 0.6180 は表示桁数が違うだけで同じ量を指します。一方、丸めた値を次の計算の入力として再利用すると誤差が積み上がるため、比率どうしを掛け合わせるような場面では、丸める前の値を使う必要があります。

φ の冪から導かれる比率(0.236 / 0.382 / 0.618 / 1.618 / 2.618)と、φ の冪ではない 0.5、冪根から作る 0.786 と 0.764 を区別して並べた系統図。
比率の出どころ。0.5 は極限ではなく、0.786 と 0.764 は近いが別の数。

この線は何を教えて、何を教えないのか

フィボナッチ分析は、次の3つの工程からなる作業です。

第一に、測定の対象となる値動きを決めます。2点(ある安値と高値など)、あるいはツールによっては3点を選びます。第二に、その値幅または時間間隔に、フィボナッチ数列から導かれた比率を掛けます。第三に、算出された価格や時刻を、観察の候補点としてチャート上に表示します。

ここで重要なのは、出力されるものが「候補」であって「判定」ではない、という点です。フィボナッチ分析は、次のいずれも示しません。

言い換えると、フィボナッチ分析が行っているのは、値幅を一定の比率で分割し、観察する場所に名前を付けることです。「深く押した」「かなり戻った」という感覚的な表現を、直前の値幅に対する割合という共通の尺度に置き換える作業だと捉えると、役割の範囲がはっきりします。

そして、この作業の出力は入力に完全に依存します。同じチャートを見ていても、測定対象としてどの高値とどの安値を選ぶかによって、表示されるすべての水準が動きます。比率の計算自体には一切の曖昧さがありませんが、入力の選択には分析者の判断が入ります。したがって、フィボナッチ分析を再現可能な手順にするには、比率を覚えることよりも、入力の決め方を先に固定するほうが本質的です。この点はフィボナッチリトレースメントの起点・終点・時間足の決め方で扱います。

もう一つ、初期段階で区別しておきたいことがあります。チャートプラットフォームのヘルプには、しばしば「価格はこれらの水準で支持・抵抗に直面することが多い」といった説明文が置かれています。MetaTrader 5 のフィボナッチツールのヘルプにも同種の記述があります。ただし、これはベンダーが自社の分析オブジェクトを説明するために書いた文であって、市場にそうした性質が備わっていることが確認された、という意味ではありません。

ベンダー文書は、そのベンダーの実装については一次情報になります。どのレベルが既定で表示されるのか、どの方向に描画されるのか、ラベルがどう表示されるのかは、ヘルプが正確な根拠になります。しかし、市場での有効性の根拠にはなりません。本記事では、ベンダー文書は実装の説明としてのみ引用し、効果の裏付けとしては使いません。

入力固定・線の増やしすぎ・コスト・再現性を確認する5項目
フィボナッチ水準は観察候補であり、方向や到達を保証しません。画像を拡大して表示(原寸 1672×941)

「フィボナッチ」と呼ばれる道具は、何種類あるのか

「フィボナッチ」という言葉は、単一のツールを指しているわけではありません。MetaTrader 5 のヘルプでは、フィボナッチ系の分析オブジェクトとして、リトレースメント、タイムゾーン、ファン、アーク、チャネル、エクスパンションの6種類が挙げられています。以下は、この6種類が何を入力とし何を出力するかの対応表です。

ツール主に測るもの指定する点描かれる形ヘルプが記す比率一つの価格が読めるか
リトレースメント直前の値動きに対する押し・戻りの深さ2点水平線既定は 0・23.6・38.2・50・61.8・100・161.8・261.8・423.6読める
エクスパンション調整後の次の値動きの目標候補3点水平線既定は 61.8・100・161.8読める
タイムゾーン時間方向の間隔2点垂直線比率ではなく数列の項価格を出力しない
ファン基準線に対する比率の位置2点3本の斜線38.2・50・61.8 の3本時点によって変わる
アーク基準線に対する比率の位置2点3本の円弧38.2・50・61.8 の3本時点によって変わる
チャネルチャネル幅に対する倍率の位置2点+チャネル幅複数の平行線幅を1として 0.618・1.000・1.618・2.618・4.236 など時点によって変わる

⚠ 最右列は、ヘルプの引用ではなく、ヘルプが記す形状から当サイトが導いた分類です。水平線は時間軸のどこで読んでも同じ価格になりますが、斜線・円弧・平行線は時点によって対応する価格が変わります。

いずれのツールも、出力そのものは上昇か下降かを決めません。どれを選んでも、方向の判断は別の作業として残ります。ただしヘルプには、6種類のいずれについても、解釈を促す文が添えられています。リトレースメントには価格がその水準またはその近くで支持・抵抗に直面することが多いとされる旨、ファンとアークには支持・抵抗の水準を表すとされる旨、エクスパンションには第3波の終点の判定に用いるとされる旨、チャネルには第5波の完了後にトレンドと逆方向の調整が想定されうる旨、そしてタイムゾーンにはこれらの線の近くで大きな価格変化が期待されると考えられる旨が記されています。本記事はこれらを、当該ヘルプにそう書かれているという事実として紹介するにとどめます。予測としても、推奨としても、精度や利益についての主張としても追認しません。ヘルプの解釈文と、当サイトの評価は別のものです。

価格の深さや目標の候補を見たいとき:リトレースメントとエクスパンション

リトレースメントは、選んだ2点の値幅に比率を掛け、水平線を表示します。最も広く使われるフィボナッチツールで、直前の上昇または下降に対して価格がどれだけ戻ったかを、割合として表現します。出力は素直ですが、前述のとおり2点の選択がすべてを決めるため、選択規則の設計が実質的な作業になります。手順はフィボナッチリトレースメントの引き方にまとめています。

エクスパンションは3点を使います。最初の値動き、その調整、そして再開後の起点という3つを指定し、最初の値幅を基準として次の値動きの到達候補を表示します。基準点の数が違うため、リトレースメントとは別の計算です。3点それぞれの役割と計算式はフィボナッチエクスパンションの3点の選び方と計算方法で扱います。

なお、100% を超える水準を扱うツールの呼び名は提供元によって一致しません。名称だけで同じ計算だと判断せず、基準点が2点なのか3点なのか、そして何を基準の値幅としているのかを確認するのが安全です。

時間の区切りを見たいとき:タイムゾーン

タイムゾーンは、価格ではなく時間の間隔を扱います。2点で単位となる間隔を決め、その 1、2、3、5、8 といった数列の項に対応する位置に垂直線を表示します。表示されるのは時間的な区切りの候補であって、その時点の価格でも、上昇か下降かでも、何かの出来事が起きることでもありません。価格を出力しない唯一の系統であるため、他のツールと同じ感覚で読むと誤解が生じます。読み方の注意点はフィボナッチタイムゾーンの引き方と読み方にまとめています。

出力が斜線・円弧・平行線になる3つ:ファン、アーク、チャネル

ファンは、2点でトレンドラインを決め、その第1点から3本の斜線を引きます。ヘルプによれば、3本は第2点を通る見えない垂直線と 38.2%、50%、61.8% の位置で交わります。斜線であるため、同じ1本の線でも、時点が違えば対応する価格が違います。これはヘルプに書かれた性質ではなく、斜線という形から出てくる帰結です。

アークは、同じく2点でトレンドラインを決め、第2点を中心とする3本の円弧を引きます。ここで注意が要るのは、この円弧が「2点間の値幅を測ったもの」ではないという点です。中心は第2点にあり、円弧はトレンドライン上の 38.2%、50%、61.8% の位置を通ります。ヘルプには、チャートの表示倍率によって円弧と価格曲線との交点が変わりうると明記されています。ヘルプが挙げる理由は、円弧が円周の一部であって形が常に同じだから、というものです。この一文があるのは6種類のうちアークだけです。

チャネルは、2点に加えてチャネルの幅を指定します。引かれるのは、その幅を1としたときの 0.618、1.000、1.618、2.618、4.236 といった倍率に対応する平行線です。ヘルプの列挙は「など」で終わっており、これで打ち切りとは書かれていません。なお、幅を1と定義する以上、最初の 0.618 倍の線は幅の内側に来ます。これはヘルプに書かれた性質ではなく、幅の定義から出てくる帰結です。

最初に学ぶ順序としては、出力が水平線であるリトレースメントとエクスパンションから入るほうが、比率と価格の対応関係を確認しやすいと考えられます。水平線であれば、どの時点で読んでも同じ価格になるためです。

MT5のフィボナッチ系6ツールを入力点・測定対象・出力形状で比較
同じフィボナッチ名でも、測る対象と出力の形が異なります。画像を拡大して表示(原寸 1672×941)

50%・76.4%・78.6% は、同じ仲間なのか

前節の表に 50%、76.4% が含まれていないことに気づかれたでしょうか。この3つの水準は、しばしばまとめて「フィボナッチ比率」として紹介されますが、由来が異なります。ここを分けておくと、後で検証設定を統一するときに迷いません。

まず 50% です。上記の添字規約では F(2) ÷ F(3) = 1 ÷ 2 = 0.5 が成立し、数列の項どうしの比として 0.5 は確かに現れます。ただしこれは、数列がまだ 1 と 2 という小さな整数だった初期の段階に一度だけ生じた一致であり、項が進めば二度と現れません。そして 50% は、前節で見た φ の冪の系列には含まれません。したがって 50% は、φ から導かれる比率の一族の一員ではなく、直前の値幅のちょうど半分を示す中間水準として、フィボナッチのツールに併載されている値です。慣用として「フィボナッチの50%」と呼ばれますが、導出の系統は別だという整理になります。本記事が扱うのはこの由来の切り分けだけです。50% を含む各水準を実際の押し・戻りの読み取りでどう使うかは、フィボナッチ・リトレースメント/エクステンション完全ガイドが扱います。

次に 76.4% と 78.6% です。この2つは見た目が近いため同じものとして扱われることがありますが、別の量です。

76.4% : 1 − φ の -3 乗 = 0.7639
78.6% : φ の -1 乗の平方根  = 0.7862

76.4% は、100% から 23.6%(φ の -3 乗)を差し引いた残りです。つまり 23.6% の補数として定義されています。78.6% は、61.8%(φ の -1 乗)の平方根です。定義の出発点が違うため、両者は近い値ではあっても一致しません。片方が正しくもう片方が誤りという関係でもなく、単に別の量が同じ「深い押し・戻りの水準」という用途に使われている、という状態です。

ここで実装側の事実を1つ確認しておきます。MetaTrader 5 のフィボナッチリトレースメントの既定レベルは、次の9本です。

0.0 / 23.6 / 38.2 / 50 / 61.8 / 100 / 161.8 / 261.8 / 423.6(単位は%)

50% は既定に含まれていますが、76.4% と 78.6% はどちらも含まれていません。つまり、チャート上にこれらの線が表示されている場合、それは利用者が追加したか、別のプラットフォームの既定値に由来するかのいずれかです。既定で表示されていないという事実は、その水準が無効だという意味ではありません。ただ、「多くのチャートで標準的に出てくる水準」と「自分で追加した水準」を混同すると、後から他人の分析や過去の記録と突き合わせるときに食い違いが起きます。

実務上の扱いとしては、次の順序が扱いやすいと考えられます。第一に、76.4% と 78.6% のどちらを使うのかを、観察を始める前に決めます。第二に、決めた内容を記録に残します。第三に、記録期間の途中で切り替えません。2つを同時に表示すること自体は可能ですが、線が増えるほど「どれかの線の近くで反応した」と説明できてしまうため、水準の追加は目的を伴って行う必要があります。

50パーセント・76.4パーセント・78.6パーセントの由来と計算関係の比較
近い数値でも由来は異なるため、途中で置き換えません。画像を拡大して表示(原寸 1672×941)

最初にどれから覚えればよいのか

出力が水平線であるリトレースメントとエクスパンションから入るほうが、比率と価格の対応関係を確認しやすいと考えられます。水平線であれば、どの時点で読んでも同じ価格になるためです。斜線・円弧・平行線の3つは、その後で構いません。

そして、線を引く段階に進むなら、比率よりも先に入力の決め方を固定してください。フィボナッチ分析で結果が人によって変わる原因のほとんどは、比率ではなく入力の選択にあります。ここを固定しないまま先へ進むと、後で検証も比較もできなくなります。

次に読む記事

起点と終点の具体的な決め方、3点を使った目標値の計算手順、ピボットとの併用、有効性の検証方法は、本記事では扱いません。それぞれ独立した判断が必要な領域であり、専用の記事に分けてあります。行き先は次のとおりです。

どの道具をどの問いに使うかを先に整理したい場合は、フィボナッチ描画・フィボナッチゾーン・ピボットの選び方から読むと、この後の分岐を選びやすくなります。

線を実際に引く段階に進む場合は、フィボナッチリトレースメントの引き方から読んでください。フィボナッチ分析で結果が人によって変わる原因のほとんどは、比率ではなく入力の選択にあります。ここを固定しないまま先へ進むと、後で検証も比較もできなくなります。

調整の後の到達候補を扱いたい場合は、フィボナッチエクスパンションの計算方法へ進みます。2点と3点で計算が変わることを確認したうえで読むと、用語の混乱を避けられます。

価格ではなく時間の区切りに関心がある場合は、フィボナッチタイムゾーンの引き方と読み方を参照してください。

もう一つ、対比のために勧めたい方向があります。ピボットは、前の期間の高値・安値・終値という決まった入力から、計算式に従って水準を出す方法です。分析者が測定対象を選ぶフィボナッチとは、入力の決まり方が根本的に違います。デイリーピボットの計算式と日足区切りを読むと、「分析者が選ぶ水準」と「入力が決まれば一意に定まる水準」の差がはっきりします。この差は、複数の水準が近接したときにそれらを独立した根拠として数えてよいかどうか、という判断に直結します。

リトレースメントとエクステンションを一続きの流れとしてまとめて確認したい場合は、フィボナッチ・リトレースメント/エクステンション完全ガイドも参照できます。

複数の水準を並べて扱う段階へ進む場合の行き先も挙げておきます。近くに並んだ線を独立した根拠として数えてよいかはフィボナッチとピボットの重なりを測る方法が、「到達確率」と表示された数値が何を数えたものかはフィボナッチゾーンの到達確率とはが、効くかどうかを自分で確かめるための設計はフィボナッチとピボットの有効性を検証する方法が、実際に画面へ表示する操作はMT4・MT5でフィボナッチとピボットを表示する方法が扱います。いずれも本記事の用語を前提にしています。

使う前に確認しておくこと

最後に、本記事の内容を実際のチャートに当てはめる前に確認しておきたい限界を整理します。

第一に、フィボナッチ水準は候補であり、観察する場所を決めるための目印です。方向を決めるものではなく、その水準で反発することを保証するものでもなく、その水準まで到達することを保証するものでもありません。水準に到達したという事実と、反応が確認されたという事実は、別々に記録する必要があります。

第二に、入力の選択に分析者の判断が入ります。反応しなかったときに起点を選び直せば、どのチャートでも当てはまっているように見せることができてしまいます。これを避けるには、観察を始める前に選択規則を決めておくことが必要です。

第三に、表示する水準を増やすほど、どこかの線の近くで価格が反応したように見えます。線の追加は、目的を伴って行うべきです。

第四に、本記事に掲載した数値は、数列と比率の数学的な導出、および MetaTrader 5 の既定設定に関する事実に限られます。関連記事で扱う価格の計算例も、特に断りのある場合を除き、説明のために作成した合成値であり、実在する相場の記録ではありません。

第五に、比率の計算はコストを含みません。実際の取引ではスプレッド、スリッページ、約定価格の差が生じます。チャート上で水準が機能しているように見えることと、コストを含めた結果が想定どおりになることは、別の問題です。

本記事は、テクニカル分析に関する一般的な情報の提供を目的として作成したものであり、特定の通貨ペア、金融商品、取引手法、プラットフォーム、業者を推奨するものではありません。また、個別の状況に応じた助言を行うものでもありません。単一の指標や単一の水準によって売買を判断できるという前提には立っていません。実際の判断は、ご自身の資金状況、リスク許容度、取引環境を踏まえ、読者ご自身の責任において行ってください。

参照した情報

MetaTrader 5 ヘルプの各ページには更新日の表示がないため、参照日のみを記載しています。いずれも当該ソフトウェアの実装仕様に関する記述としてのみ参照しており、各ページに置かれた支持・抵抗、波動、価格変化に関する解釈文は、ベンダーによる自社実装の説明として扱います。市場の性質を示すものとしても、当サイトの予測、推奨、精度の主張、利益の見込みとしても用いていません。

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